当院の親知らず・歯の移植治療

一般的に、親知らずは20歳前後から生え始めますが、他の歯より遅れて生えてくるので、生え出る場所が不足しやすく、横向きや斜めに生えたり、一部が歯肉に埋まったままの状態になることがあります。
横向きや斜めに生えたりすると手前の歯が虫歯になる原因となったり,一部だけが見えている状態だと歯茎が腫れて痛みが出るなど、問題を引き起こすことがあります。痛みが出ている場合やレントゲン撮影などで将来のトラブルを予見できる場合は、早めの抜歯をおすすめします。
一方で真っ直ぐきれいに生えている親知らずは、必ずしも抜歯の必要はありません。
また、他の奥歯で状態の悪い歯がある場合には親知らずを移植することや矯正治療することで有効に活用できることもあります。
親知らず・歯の移植について気になる方はお気軽にご相談ください。
親知らずを抜かないリスク
- 親知らず自体の病気を引き起こす
- 親知らずの手前の歯が病気になるリスクがある
親知らず自体が虫歯になったり,歯肉炎になったりします。
親知らずの手前の歯が虫歯や歯周病になる可能性があります。親知らずの生え方によっては処置が困難な場所が虫歯になり,小さい虫歯でも神経を取ったり,抜歯が必要となることもあります。
親知らずを抜くリスク
抜歯をする際に下記の症状や合併症を引き起こすことがあります
- 痛みや腫れが3日〜2週間程度続きます
- 当日や翌日はにじむ程度の出血が続くことがあります。気になるときは,ガーゼ等を押し当てて噛むことで止血されます。
- 抜歯後に感染を起こすことがあります。感染を起こすと痛みや膿が出ます。
- 下の親知らずを抜歯する際には、下歯槽神経や舌神経などが近く、抜歯後に唇やあご、舌に麻酔が効いているような感覚障害が起こることがあります。一時的なもので徐々に改善することが多いですが、一部は長期間続くこともあります
- 上の親知らずを抜歯する際には、鼻の両脇にある上顎洞に穴があき、口と鼻が交通することがあります。縫合等の追加処置を行う必要があります。
当院では必要に応じてCT撮影を行うことで、安全に治療するための精密な診断を行います。
多くの症例は当院で30分から1時間程度で抜歯することが可能です。
当院の歯の移植治療

他の奥歯で状態の悪い歯がある場合には親知らずを移植することで有効に活用できることもあります。歯を抜いた直後や早期に移植治療をするのか、歯を抜いた部位が治癒した状態で移植治療するのかによって成功率が違うといわれています。 歯を抜いた直後や早期に移植治療をした場合は成功率95%程度、歯を抜いた部位が治癒した状態で移植治療をした場合は成功率60%程度と言われています。
- メリット
- インプラントと比較して自分の歯であること。自分の歯には歯根膜というクッション材のような組織があり、インプラントよりも感覚に優れています。また矯正治療等で歯を動かすことも可能です。
- ブリッジと比較して周囲の歯を削らず、負担をかけにくい。
- 本来抜く必要のあった親知らずを有効活用出来る。
- 保険適応となる場合がある。抜歯した日に親知らずの移植を行う場合は保険適応となります
- デメリット
- 虫歯でない、歯のサイズが近い、根の形状が複雑でないなどの条件を満たす歯が必要である。
- 移植する歯の根が完成している場合は神経を取る必要がある。数週間後に神経の治療を開始します