当院の予防治療
歯科で「治療の必要がない」環境づくりを

歯の治療は、「痛い」「怖い」「長引く」というイメージをお持ちの方が少なくありません。その理由は、トラブルや痛みが起きてから歯科に行くためです。しかも、治療した歯の寿命は短くなってしまう傾向にあります。そこで重要なのが、トラブルの「予防」です。
日本人中高年を対象に行った研究では歯のメンテナンスの習慣を持たない集団は10年間に平均5本の歯を失う、一方定期的な歯のメンテナンスを受けている集団は10年間に0.5本だけ歯を失うという結果となりました。
定期的に歯科でメンテナンスを行えば、治療の必要がない状態を続けることができ、また治療が必要になっても最小限の治療で済むことが多くなります。人生100年時代の「食べる楽しみ」を守ることができます。
プロフェッショナルケアとホームケアで予防治療
予防治療は、歯科医院で専門職が行うプロフェッショナルケアと、患者様がご自宅で行うホームケアの両輪で進めることが重要です。
歯科医院では、毎日のブラッシングでは取りきれないバイオフィルムや歯石を除去するため、歯科衛生士が専用の器具を使って歯をクリーニングします。これを「PMTC」と呼び、定期的に続けることで歯の健康を守り、口臭を予防します。タバコやコーヒーによる歯の着色が目立つ場合は、エアフローという専用の装置で汚れを落とします。PMTCには保険診療と自費診療があります。
歯周病などの病気の治療の一環として行われるPMTCは保険適応となり、一方で予防を目的としたPMTCは自費治療となります。
自費PMTCではペリオプロという薬剤(ペリソルブ療法)を用いて、歯石除去時の痛みを軽減したり、タバコやコーヒーによる目立つ歯の着色もエアフローという専用の装置で汚れを落とします。また、自費専用のクリーニングペーストの使用や口腔周囲筋・歯茎のマッサージ等も行います。期間や頻度に制限がなく、ご希望のタイミングで治療を行っていただけます。
自費PMTC(60分) | 22,000円 |
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- メリット
- 歯周病でない方も受けられる
- 期間や頻度に制限がない
- 専用の機械や薬剤、ペーストを用いることで痛みが出にくい
- デメリット
- 保険適応外である
当院の歯周病治療
歯周病は万病の原因になります
歯周病は成人の80%が罹患しているといわれ、最近では歯周病の病原菌が脳や心臓の疾患、早産や低体重児の出産、糖尿病や肥満にも影響することがわかってきました。一方で、自覚症状がないまま進行するため、発見が遅れがちになります。口臭が気になる、起きたときに口の中がネバネバする、歯磨きで出血するなどの症状は歯周病のサインかも。
放置していると歯周病は静かに進行し続けます。やがて細菌が歯茎の内部にまで侵入して骨を溶かし、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病のセルフチェック
- 口臭が気になる
- 朝起きたら口の中がネバネバする
- 歯みがき後に、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混じる
- 歯肉が赤く腫れてきた
- 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
- 歯肉を押すと血や膿が出る
- 歯と歯の間に物が詰まりやすい
- 歯が浮いたような気がする
- 歯並びが変わった
- 歯が揺れている
チェックが1~3個の場合
歯周病の可能性があるため、軽度のうちに治療を受けましょう。
チェックが4~5個以上の場合
中等度以上に歯周病が進行している可能性があります。早期に歯周病の治療を受けましょう。
チェックがない場合
チェックがない場合でも無症状で歯周病が進行することがあるため1年に1回は歯科検診を受けましょう。
歯周病は早期発見、早期治療がもっとも重要です
歯周病が自然に治ることはなく、ご自身では原因を判断することも難しいため、歯科医院での定期的なメンテナンスで歯周病にならない口腔環境をつくることが重要です。
歯周病になったとしても、軽度であれば、歯垢や歯石の除去とブラッシングで症状は改善します。しかし、中等度以上になると、外科的な治療が必要になることもあるため、早期発見、早期治療が何よりも大切です。
重度の歯周病にも対応

軽度の歯周病はスケーラーという専用の器具を用いて歯石や歯垢を取り除き,歯周病の悪化を防いでいきますが、それだけで回復が期待できない場合は外科的な治療を行います。
歯茎を切開して歯周ポケットの深い部分の歯石を取り除いたり、溶けてしまった骨を回復させる歯周組織再生療法、下がってしまった歯茎を補う軟組織移植術なども行っております。