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ストローマン社のインプラントとは? 世界中で選ばれる理由を 歯科医が徹底解説

 

 

 

歯科医監修

谷町四丁目なかたに歯科・矯正歯科

ストローマン社のインプラントとは?
世界中で選ばれる理由を
歯科医が徹底解説

ストローマン社はスイス発のインプラントメーカーで、独自の表面性状技術(SLA・SLActive)と豊富な長期臨床データが特徴。世界中の歯科医師から選ばれてきた歴史がある
ボーンレベル・ティッシュレベルという2つのシステムがあり、部位・症例によって使い分けられる
表面性状の工夫が初期固定・オッセオインテグレーション(骨結合)を促進し、長期予後の良好さに貢献している
どのメーカーを使っても、インプラント周囲炎の予防には日々のケアと定期的なメンテナンスが不可欠

「インプラントにもメーカーがあるって本当?何が違うの?」

「ストローマン社のインプラントを勧められたけど、他社と何が違うのかわからない」

「長く使えるインプラントを選びたい。何を基準にすればいい?」

インプラント治療を検討する際、「どの歯科医院で受けるか」だけでなく「どのメーカーのインプラントを使うか」も、長期的な結果を左右する重要な要素です。世界には多くのインプラントメーカーが存在しますが、その中でもストローマン社(Straumann)は、スイスに本社を置く老舗メーカーとして世界中の歯科医師から支持されてきました。

この記事では、ストローマン社の歴史・表面性状技術・ボーンレベルとティッシュレベルの違い・オッセオインテグレーション(骨結合)と初期固定の関係・長期予後・インプラント周囲炎への配慮・メリット/デメリット・費用まで、歯科医師の視点から詳しく解説します。

谷町四丁目なかたに歯科・矯正歯科では、インプラント認定医・補綴専門医が在籍し、CBCTによる精密な骨評価のうえで、信頼性の高いインプラントシステムを用いた治療をご提案しています。
 

ストローマン社の歴史——スイスから世界へ

ストローマン社はスイス・バーゼルを拠点とする医療機器メーカーで、歯科分野では特にインプラントシステムの分野で世界的な地位を築いてきました。もともとは金属加工・研究機関としての歴史を持ち、その後インプラント事業に本格的に参入し、長年にわたる研究開発と臨床データの蓄積を重ねてきました。

「歴史の長さ」が意味すること

新しく登場した製品は、短期的には優れて見えても、長期的な結果(10年後・20年後にどうなっているか)はまだわかりません。一方、長い歴史を持つメーカーの製品は、数十年単位の長期臨床データが蓄積されているという強みがあります。

インプラントは一度埋入すると長期間機能することが期待される治療です。「このメーカーのインプラントは10年後・20年後にどうなっているか」というデータが豊富にあることは、治療選択における安心材料の一つになります。

創業

スイスでの研究開発拠点

金属加工・生体材料の研究を背景に、歯科インプラント分野へ本格的に参入。

表面性状の研究

SLA表面の開発

インプラント表面を粗面化する独自の技術を開発し、骨結合の促進に貢献。

材料開発

ロキソリッド(チタン・ジルコニウム合金)

従来のチタン単体より高い強度を持つ合金を開発し、細径インプラントの選択肢を広げる。

現在

世界120カ国以上で使用

多数の国と地域の歯科医療現場で採用され、豊富な臨床研究・エビデンスが蓄積され続けている。

表面性状(SLA・SLActive)——骨結合を促す技術

インプラントが顎の骨としっかり結合する(オッセオインテグレーション)ためには、インプラント表面の性状(表面の粗さ・化学的性質)が大きな役割を果たします。ストローマン社が特に注力してきたのが、この表面性状の技術開発です。

S
SLA表面
Sandblasted, Large-grit, Acid-etched
インプラント表面に大きめの粒子でサンドブラスト処理を施し、その後酸でエッチング(微細な凹凸を形成)する技術です。表面積を増やし、骨芽細胞(骨を作る細胞)が接着しやすい微細構造を作ることで、機械的な結合の強さを高めます。
SA
SLActive表面
Chemically Active SLA Surface
SLA表面をさらに発展させ、表面を化学的に活性化(親水性を高める)した技術です。血液・体液がインプラント表面になじみやすくなることで、初期の骨形成反応が早まるとされ、治癒期間の短縮に寄与する可能性が研究で示されています。
表面性状がなぜ重要なのか

インプラントが骨と結合するプロセス(オッセオインテグレーション)は、表面の微細構造に骨芽細胞が接着し、新しい骨組織が形成されることで進みます。表面が滑らかすぎると細胞の接着が弱く、逆に粗すぎたり不均一だと感染リスクが高まることもあります。最適な粗さ・化学的性質を追求した表面性状技術は、初期固定の獲得と長期的な骨結合の安定性を支える基盤技術です。

オッセオインテグレーションと初期固定の関係

オッセオインテグレーション(Osseointegration)とは、インプラント表面と顎の骨組織が直接的に結合する現象のことです。インプラント治療が成功するかどうかは、このオッセオインテグレーションが確実に成立するかにかかっています。

初期固定とは

初期固定(Primary Stability)とは、インプラントを埋入した直後、機械的に骨としっかり固定されている状態を指します。これはオッセオインテグレーション(生物学的な結合)とは異なり、埋入直後の物理的な安定性を意味します。

初期固定とオッセオインテグレーションの関係

初期固定が不十分だと、骨結合が完成する前にインプラントが微細に動いてしまい、オッセオインテグレーションの成立が妨げられるリスクが高まります。逆に十分な初期固定が得られれば、その後の治癒期間を通じて安定的に骨結合が進みます。「埋入直後の物理的安定性(初期固定)」と「時間をかけて完成する生物学的な結合(オッセオインテグレーション)」の両方が揃って初めて、長期的に機能するインプラントが実現します。

初期固定を高めるためには、インプラントの形状(ねじ山の設計)・埋入時の骨質評価・適切な埋入トルクの管理などが重要で、これらもメーカーの技術力・製品設計が影響する部分です。

ロキソリッド——チタン・ジルコニウム合金という選択

ロキソリッド(Roxolid)は、ストローマン社が開発したチタンとジルコニウムの合金で、従来の純チタン製インプラントに比べて高い機械的強度を持つとされています。

ロキソリッドの利点

  • 高い引張強度:純チタンより強度が高いため、細径インプラント(骨幅が狭い部位に使用する細いインプラント)でも十分な強度を確保しやすい
  • 骨幅が狭い部位への対応:骨造成をせずに治療できる可能性が広がる場合がある
  • 生体親和性:チタンと同様に高い生体親和性を持つとされる
材料の選択も治療計画の一部

骨の幅が狭い部位にインプラントを検討する場合、骨造成(骨を増やす追加処置)が必要になることがあります。高強度の材料を使った細径インプラントが選択肢になることで、骨造成を避けられる、または縮小できるケースがあるという点は、患者さんの負担軽減につながる可能性があります。ただし、すべてのケースに当てはまるわけではなく、CBCTによる精密な骨評価に基づく判断が必要です。

ボーンレベルとティッシュレベル——2つのシステム

ストローマン社のインプラントシステムには、大きく「ボーンレベル」と「ティッシュレベル」という2つの設計思想があります。

タイプ設計の特徴主な利点
ボーンレベル
インプラント
インプラント体の上端が骨の高さに合わせて埋入される設計。上部構造(土台)は歯ぐきの上に別途接続する審美性を重視する部位(前歯など)に適する
粘膜貫通部のデザインの自由度が高い
ティッシュレベル
インプラント
インプラント体の一部があらかじめ歯肉の高さまで出るよう設計されている粘膜が薄い部位での安定性
1回法手術(外科的な処置回数を減らせる)に対応しやすい

どちらが優れているというわけではなく、部位・骨の状態・粘膜の厚さ・審美的な要求によって適したタイプが異なります。症例に応じて歯科医師が最適なシステムを選択することが重要です。

長期予後——豊富な臨床データの意味

ストローマン社のインプラントシステムは、長年にわたり世界中で使用されてきたため、数多くの長期臨床研究・追跡調査のデータが蓄積されています。

長期予後に関する報告(一般的な傾向)

複数の長期臨床研究において、10年以上の生存率が90%台という報告が多く蓄積されています。ただし、これはあくまで研究報告の一般的な傾向であり、個々の患者さんの全身状態・口腔衛生管理・喫煙習慣・咬合力などによって結果は変動します。
※具体的な数値は研究デザイン・追跡期間・対象集団によって異なります。あくまで参考として捉えてください。

「データの量」が持つ意味

新薬の効果を確認するのに、1人のデータより1000人のデータの方が信頼性が高いのと同様に、インプラントシステムも、長期間・多数の症例で追跡されたデータが豊富であるほど、結果の予測可能性が高まります。ストローマン社は世界中で広く使用されているため、この点で豊富なエビデンスの蓄積という強みがあります。

インプラント周囲炎への配慮

インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯ぐき・骨に生じる炎症性疾患で、天然歯の歯周病に似た病態です。どのメーカーのインプラントであっても、インプラント周囲炎のリスクはゼロではありません。

表面性状とインプラント周囲炎の関係

近年の研究では、インプラントの粘膜貫通部(歯ぐきを通る部分)の表面性状が、プラークの付着しやすさ・清掃のしやすさに影響することが示されています。滑らかな表面はプラークが付きにくく清掃しやすい一方、粗い表面は骨結合には有利でも、粘膜貫通部では感染リスクの管理により注意が必要になることがあります。ストローマン社を含む主要メーカーは、埋入部位ごとに適切な表面性状を使い分ける設計を採用しています。

メーカーの技術だけでは防げない

どんなに優れたインプラントシステムを使っても、日々のセルフケア(歯間ブラシ・フロスの使用)と定期的な歯科でのメンテナンスがなければ、インプラント周囲炎のリスクは高まります。「良いメーカーのインプラントを入れたから安心」ではなく、「良いインプラントを長く使うために、その後の管理が重要」という理解が大切です。

メリット・デメリット

✔ ストローマン社インプラントのメリット

  • 長期にわたる豊富な臨床データ・研究エビデンスの蓄積
  • 独自の表面性状技術(SLA・SLActive)による初期固定・骨結合の促進
  • ロキソリッドなど高強度材料による細径インプラントの選択肢
  • ボーンレベル・ティッシュレベルなど部位に応じた製品ラインナップ
  • 世界中で広く使用されており、将来的なメンテナンス・部品供給の安定性が期待できる
  • 多くの歯科医師が使用経験を持ち、技術・知見が共有されやすい

⚠ 留意すべき点

  • 他メーカーに比べて費用がやや高い傾向がある場合がある
  • 優れたシステムでも、術者の技術・診断精度が結果を大きく左右する
  • メーカーの実績があっても、患者さん自身のメンテナンス・全身状態によって結果は変わる
  • インプラント周囲炎のリスクはメーカーを問わず存在し、油断はできない

費用について——メーカー選択と価格の関係

インプラントの費用は、メーカー・使用する部品(アバットメント・上部構造の材料)・治療の難易度・追加処置(骨造成など)の有無によって幅があります。ストローマン社のような研究開発に力を入れているメーカーの製品は、他メーカーに比べてやや費用が高くなる傾向があることがありますが、これは長期的な臨床データ・品質管理・部品の互換性の安定性などのコストが反映されているという側面もあります。

「費用の安さ」だけで選ぶことのリスク

インプラントは一度埋入すると長期間使用する医療機器です。初期費用の安さだけでメーカーを選ぶと、将来的に部品の供給が終了する・修理やメンテナンスに対応する歯科医院が限られるなどのリスクが生じる可能性があります。長期的な視点でメーカー・費用を検討することが重要です。

なぜメーカー選びが重要なのか

インプラント治療における「メーカー選び」は、単なる製品選択以上の意味を持ちます。

  • 長期的な部品供給の安定性:将来的に上部構造の交換・修理が必要になった際、対応する部品が入手できるか
  • エビデンスの信頼性:長期間・大規模な臨床データがあるほど、結果の予測がしやすい
  • 術者の経験・習熟度:使用実績が豊富なシステムほど、多くの歯科医師が扱いに習熟している
  • 転居・他院への通院時の対応:広く普及しているメーカーであれば、将来的に別の歯科医院でもメンテナンスを受けやすい

「どのメーカーが一番良いか」に絶対的な正解はありませんが、長期的な視点で信頼できるメーカーを選ぶことは、生涯を通じてインプラントと付き合っていくうえで重要な判断です。

谷町四丁目なかたに歯科・矯正歯科の特徴と強み

インプラント認定医による精密な診査・治療計画

インプラント認定医

CBCTによる精密な骨評価と信頼性の高いインプラントシステムの選択

👑
補綴専門医

ボーンレベル・ティッシュレベルを踏まえた上部構造の精密設計

🦷
かみあわせ認定医

インプラント装着後の咬合力管理・長期的なかみあわせの調整

🔬
接着治療専門医

インプラント周囲の口腔衛生管理・メンテナンスを担当

CBCTで初期固定・骨結合の条件を精密に評価

CBCT

歯科用三次元CT
顎の骨の幅・高さ・質を三次元で精密に評価し、初期固定を確保できる埋入位置・角度・インプラントのサイズを事前に計画します。ボーンレベル・ティッシュレベルどちらが適しているかの判断にも活用します。
スキャナ

口腔内スキャナ
インプラント上部構造の精密な設計データを取得します。かみあわせ・審美性を考慮した精密な適合を実現します。
当院の方針

「どのメーカーのインプラントが自分に合っているか知りたい」——CBCTのデータをもとに骨の状態を評価し、長期的な視点で信頼性の高いシステムをご提案します。装着後のメンテナンス・定期検診まで含めたトータルなサポートを大切にしています。

よくある質問(Q&A)

Qストローマン社のインプラントは他メーカーより優れていますか?
A

「絶対的に優れている」と断言することはできませんが、長期にわたる豊富な臨床データ・研究の蓄積、独自の表面性状技術という点で高い評価を受けているメーカーの一つです。他にも信頼性の高いメーカーは複数存在し、症例・部位・患者さんの状態によって最適な選択は異なります。担当医と相談して決めることが重要です。

Qインプラントのメーカーはどうやって選ばれているのですか?
A

歯科医院・歯科医師が、臨床エビデンス・使用実績・部品供給の安定性・術者自身の経験などを踏まえて採用するメーカーを選定しています。当院では長期的なデータの信頼性・術者の使用経験を重視してシステムを選択しています。

Q他院でストローマン社以外のインプラントを入れましたが、メンテナンスは可能ですか?
A

メーカー・システムによって対応できる範囲が異なります。まずはレントゲン等で使用されているシステムを確認し、対応可能かご相談ください。広く普及しているメーカーであれば対応できることが多いですが、特殊なシステムの場合は専門的な確認が必要になることがあります。

Q骨が少ない場合でもストローマン社のインプラントは使えますか?
A

ロキソリッドのような高強度材料を使った細径インプラントであれば、骨幅が比較的狭い部位でも対応できる可能性があります。ただし、骨の状態によっては骨造成が必要になる場合もあります。まずはCBCTで骨の状態を精密に評価することが重要です。


「どのメーカーか」も、あなたのインプラントを守る大切な判断材料

インプラント治療において、歯科医師の技術・診断力はもちろん重要ですが、「どのインプラントシステムを使うか」も長期的な結果に影響する要素です。ストローマン社は、独自の表面性状技術・豊富な長期臨床データ・世界的な普及実績という強みを持つメーカーの一つです。

ただし、どんなに優れたシステムを使っても、精密な診断・適切な埋入技術・そして治療後のセルフケアと定期メンテナンスが揃って初めて、長期にわたり機能するインプラントが実現します。

「自分に合ったインプラントシステムを知りたい」——CBCTのデータをもとに、正直にご説明します。

まずはお気軽にご相談ください

「インプラントのメーカーについて詳しく聞きたい」
「骨が少ないと言われたが可能か知りたい」
「他院で入れたインプラントのメンテナンスをお願いしたい」——
どんなことでも、丁寧にお答えします。

谷町四丁目なかたに歯科・矯正歯科
診療科目:一般歯科・小児歯科・口腔外科・矯正歯科
所在地:大阪府大阪市中央区谷町3-2-11 FLAGS 1F
       (地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」より徒歩すぐ)
電話番号:06-6941-8241
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執筆者

歯科医師・歯学博士 中谷早希

資格

  • 歯学博士
  • 日本補綴歯科学会専門医
  • 日本接着歯学会 専門医
  • 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
  • 歯科医師臨床研修指導医
  • 日本口腔インプラント学会専修医

所属

  • 大阪大学附属病院口腔補綴科
  • 日本補綴歯科学会
  • 日本接着歯学会
  • 日本顎咬合学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本歯科審美学会
  • 日本臨床歯科学会
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を約束するものではありません。症状や治療内容はお一人おひとりの状態によって異なります。詳しくは診察時にご確認ください。
※インプラントの生存率・長期予後は研究・症例・メンテナンス状況によって異なります。数値は参考値としてご理解ください。
※記事内の企業名・製品名は各社の商標です。当院は特定企業と資本関係にあるものではなく、臨床的判断に基づき製品を選定しています。
※掲載の情報は記事執筆時点のものです。最新の製品情報・費用等は医院へ直接お問い合わせください。
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